DAC-198 THE OLYMPIC STUDIO SESSIONS 1968-1969 2CD

DAC-198 THE OLYMPIC STUDIO SESSIONS 1968-1969 2CD

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商品詳細

ローリング・ストーンズのデッカ/ロンドン・レーベル所属時の最後期のスタジオ・セッション音源を収録した2枚組CDセットです。この時期のストーンズはベガーズ・バンケット、レット・イット・ブリードといった、それまでのキャリアの中で最高峰のアルバム群のレコーディングに忙殺されていました。結果としてこれらのレコーディング・セッションの後、ストーンズとレコード会社の関係は悪化してしまい、ストーンズは自身のレコード・レーベルを設立する流れとなります。本作に収録されている音源は先のMSG69年のライブ音源の未編集音源(DAC-199)と時を同じくして、たった1日だけ公開された未発表の貴重なアウトテイクに、前年の2018年にやはり同様の形で公開された1968年分の未発表音源とを組み合わせた構成となっています。ベガーズ収録曲は既にサタニック・マジェスティーズ期から収録がスタートしていたり、ブリード収録曲はやはりベガーズ期から収録がスタートしていたり、ベガーズ期の「残り物」からの焼き直しがあったりで、この2枚の名盤のセッション音源を一箇所にコレクトすることにより、これまでまともな別テイク、アウトテイク集の存在しなかったアルバム、レット・イット・ブリードのオルタネイト・テイク集として、本作は大変に充実した内容のコレクションとなりました。

DISC 1には1969年の音源を中心に収録しています。ロックン・ロール・サーカスの監督のマイケル・リンゼイホッグの要請によってブッキングされたオリンピック・スタジオで12月8日に収録された悪魔とルビー・チュースディ。特に後者はニッキー・ホプキンスのピアノが前面にフィーチャーされ、このような音源の存在には驚きを隠し得ませんでした。結局は次のアルバムに回されるシスター・モーフィンもこの1968-1969年期の収録です。初めて聞くランブラー、ストレイ・キャット、レット・イット・ブリード、ラブ・イン・ベインの初期収録テイク群。12月のオルタモント公演と前後してスタジオ入りして収録したブラウン・シュガー、ワイルド・ホースのシェリー・バージョンも帰英後にオリンピック・スタジオでリミックス作業されたもので、アップグレード音源よりここに新しく収録されるもの。もう1テイクのワイルド・ホースもベーシックは1969年のマッスル・ショールズでの収録ですが、バックのストリングスは1970年にオリンピック・スタジオにてオーバーダブされたものとのこと。ギミー・シェルターはアナログ・ブート時代に1973年シドニー公演初日のサウンドボード・ライヴのボーナス・トラックとして初めてリリースされたテイク。スコルピオあたりのCDに入っていてもよかったような別ヴォーカルの貴重なテイクですが、これまでほとんどCD収録されないで漏れていました。無情の世界は3月15日にロンドン、バッハ合唱団を招いてのコーラスのオーバーダブ・セッション。ミック主導で非常に和やかな雰囲気の中で収録が進んでいった様子を窺い知ることができます。

DISC 2はミッドナイトビートのサタニック・ボックスのテイクとは被らないチャイルド・オブ・ザ・ムーンのセッションからスタートします。続く悪魔も初期のベーシック・テイクでオーバーダブ等に他のテイクと違いが確認できるテイク。ファミリー、ディア・ドクター、ペイ・ユア・デューズ等のお馴染みのアウトテイクはオリジナルのアップロードとは違うより高音質の同じテイクに差し替え収録されています。ジャンピンのプロモ・バージョンも2テイク収録。最初のテイクは冒頭のミックの掛け声、エンディングのキースのギター音等、これまでで一番長くまた高音質で収録。セカンド・テイクはバックはレコード・バージョンを使用しているものの、ミックのヴォーカルはシューティング時のライヴ版で収録。この音声はBBCの
トップ・オブ・ザ・ポップスでTV放映後、ヴォーカルを含めて音声が全面的にレコード・バージョンに差し替えられてしまったので、このライヴ歌唱のバージョンは大変貴重です。今回の音声もリンゼイホッグ所有のオリジナル・フィルムの磁気サウンド・トラックから取り直されていて大変良好です。続くレット・イット・ブリードとラブ・イン・ベインのアセテート・バージョンは、リリース・テイクとは異なるヴォーカルをフィーチャー。そしてこちらDISC 2のギミーシェルターは、俗に言われるキース・ヴォーカル・バージョン。

DISC 2トラック13以降はボーナス・トラック扱いで、アルバム完成後に新メンバー、ミック・テイラー伴って敢行された69年USツアーより5テイクを収録。MSGでの11月28日のファースト・ショー音源は先のDACの「SOME SATANIC TOUR VOL.3」とはテイク違いの4テイクを同様のモノ音源より収録。悪魔はゲット・ヤー・ヤヤズ・アウトに正規収録されたテイクですが、最終的にハサミが入る前のテイクでミックのヴォーカルもスタジオで録り直す前の状態で、ここでしか聴くことができません。ランブラーは新たに登場した1969年オルタモント公演からのサウンドボード音源。途中一箇所カットが入る部分はサウンドボードのみの状態を貫くため隠密ソースの補填はしておりません。ラストには時期は前後するものの、タンブリン・ダイスの初登場のバッキング・トラックを収録。シングル・テイクとベーシックは異なるようですが、ニッキー・ホプキンス所有のテープから公開された大変貴重なバッキング・トラック音源です。

本作はこれまで聞くことの出来なかったテイクを大量に含んだベガーズ、ブリード期の大変良質なスタジオ・セッションものの決定版と言える内容です。音質もエクセレントなステレオ収録のものが中心となっており安心して聴くことが出来ます。