PAUL McCARTNEY / BAND ON THE RUN EARLY MIXDOWN CD

PAUL McCARTNEY / BAND ON THE RUN EARLY MIXDOWN CD

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商品詳細

ビートルズ解散後しばらくソロ活動をしていたポールであったが、それは新たなバンド結成への布石であった。ソロ・アルバムを一緒にレコーディングしたミュージシャンをスカウトして結成したバンドがウイングスである。デニー・シウェルがアルバム『ラム』のレコーディングのオーディションを受けた際、ポールはミュージシャンとしての力量のみならず、ある種の「覚悟」も求めているようであったと述懐している。ポールとリンダ、そしてデニーレイン、デニー・シウェル、ヘンリー・マッカロクの5人で編成された初期ウイングスは、1972年と1973年にツアーを行ない、次なるステップへ進む予定であった。しかし、アルバム『バンド・オン・ザ・ラン』のレコーディングの前に、シウェルとマッカロクの2人が脱退してしまう。まさにこれからという時にバンドは瓦解の危機を迎え、結局『バンド・オン・ザ・ラン』はポールとリンダ、デニーレインの3人のみで行なった。デニーのサポートこそあったものの、バンド名義でありながら実質ポールのソロ・アルバムである。

レコーディングはアフリカ大陸の中部ナイジェリアのラゴスで行なわれた。現地のミュージシャンはビートルズのメンバーが自分たちの音楽を盗みにきた、などと牧歌的な警戒を示したが、完成したアルバムを聴くと、およそアフリカ的要素は感じられない。そして現在ではポールのアルバムの中でも高評価を受けている作品のひとつとなり、セールス的にも大成功を収めたものとなっている。アルバム収録曲は「マムーニア」を除く全曲がライブで演奏されており、特に「ジェット」「バンド・オン・ザ・ラン」「1885」「レット・ミー・ロール・イット」の4曲は現在でもポールの重要なステージ・レパートリーとなっている。本作は、この名盤『バンド・オン・ザ・ラン』の初期ミックス・ダウンの音源を収録している。

【BAND ON THE RUN】
アルバム・タイトル曲である。別個の曲を合成する構成を持つ曲としては「Happiness Is A Wam Gun」に端を発し、ポールも「Uncle Albert – Admiral Halsey」において2つのパートで構成された曲を発表したが、この曲ではさらに3つのパートで構成されるという複雑な曲となっている。アコースティック・ギターをメインとし、効果音的なエレクトリック・ギターを重ねたもので、ボーカルはまだ入っていない。

【JET】
「マーサ・マイ・ディア」同様にポールが飼っていたワンちゃんの名前が曲名に流用されている。コンサートではウイングス時代から現在に至るまでほぼ全ツアーで演奏されている。ポールのボーカルはシングル・トラックで、印象的な重厚的なコーラスもまだ薄く、ボーカルが際立つミックスとなっている。ギターはまだ最低限しか重ねられておらず、ドラムとピアノがメインの演奏である。間奏のキーボード・ソロはもちろんリンダであろう。

【Bluebird】
シンプルな楽曲だけにほぼ完成された形であるが、間奏の曲を印象づけるホーウィー・ケーシーのサキソフォン・ソロがまだ重ねられておらず、リズム・ボックスとボーカル、そしてコーラスのシンプルな演奏である。ここでのプレイが気に入ったのか、ケーシーは後のウイングスのツアーにも同行している。

【Mrs Vanderbilt】
ドラムとベースに乗せてポールのボーカルとコーラスのみで構成されたミックスである。ポールの踊るメロディアスなベース・ラインが心地良いではないか。ホーンの音はほとんど入っていない。2008年に初めてステージで演奏されたことは記憶に新しい。

【Let Me Roll It】
ガイド的なギターこそあるものの、キーボードをメインとしたバックで、ドラムその他の楽器はまだ入っていない。ポールのボーカルはダブル・トラックで収録されており、左右でボーカルが別録音であることがわかる。ダブル・トラックは通常ボーカルに厚みを持たせるために行なう作業であるが、この曲ではわざと違いを大きくし、時差を設けることにより、独特の効果をもたらしている。それが如実にわかる、ほぼアカペラ・バージョンである。

【Mamunia】
これは不思議なトラックである。まるでビートルズ「Because」のボーカルのみのバージョンのように、デニー・レインとリンダのコーラス・トラックである。ポールのボーカルにデニーとリンダがコーラスという編成でレコーディングされたとされるが、コーラスにポールも加わっているようだが、皆さんはどう聞くであろうか。

【Helen Wheels】
米盤のみに収録されていたシングル曲。最終バージョンのようなファンキーなギターが希薄で、普通のロック・ナンバーとなっている。こちらの方がシンプルかつストレートなロックを感じられて良いと思う。

【No Words】
ウイングスにとって屈指の名曲のひとつ。アルバム中で唯一ポールとデニーの共作であり、デニー曰く「ほとんど自分が作った」という曲である。ミドル・パートでは最終バージョンにはないキーボードの音が入っている。オーケストラ、ギター、それぞれ収録されてはいるのだが、どの音をメインに据えるか迷っているかの如く曲中で各楽器のバランスが模索されている。

【Picasso’s Last Words】
1973年に死去したパブロ・ピカソの最後の言葉に着想を得て作られた曲で、出だしのボーカルはデニーで、ベースに乗せて丁寧に歌っているのがわかる。そしてリンダ、ポールと加わっていく。間奏のオーボエは未収録でアコギが代用されている。曲後半に「Jet」のメロディが挿入されるも控えめである。

【1885】
 この曲のみ2トラック収録されている。最初はオケのみのトラックである。ピアノとコーラスの他、ぼわ〜んという効果音のようなものが際立つミックスとなっている。そしてエンディングで挿入される壮大なオーケストラ・パートが大きく収録されている。2トラック目はベースとドラムのみのシンプルなオケにポールのシングル・トラックのボーカルが重ねられている。エコーがほとんどなく乾いたポールのボーカルの音色が妙に生々しい。

【BAND ON THE RUN EARLY MIXDOWN】
ウイングスのみならずポールの最高傑作との誉れ高いアルバム『BAND ON THE RUN』の初期のミックスダウン音源を収録。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。

01. Band On The Run
02. Jet
03. Bluebird
04. Mrs. Vanderbilt
05. Let Me Roll It
06. Mamunia
07. Helen Wheels
08. No Words
09. Picasso's Last Words
10. 1985 #1
11. 1985 #2